フォト

Twitter

May 2020
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

« 韓国YMCAフォーラム ② | トップページ | 東日本大震災慰霊祭祭詞 ② »

東日本大震災慰霊祭祭詞 ①

 

 東日本大震災被災地の皆様に 謹んでお見舞い申し上げます。

 東日本の大震災から10日あまりが過ぎた。追い討ちをかけた福島の原発事故で、余震と共に不安な日々が続きそうだ。私共の寺子屋式の講座には、九州や関西からも参加しているので問い合わせが相次いだ。

 神職養成を兼ねた講座の受講生は、年齢も職種もさまざまだ。休日を中心に開講しているが、今回の地震翌日12日と13日は講座の日だった。混乱する交通網の中、北海道、広島、大阪などから受講生が上京した。なかには被災地のいわき市から車を12時間運転して来た受講生や、羽田から5時間歩いて来た者も居る。彼等からは、大学では見られない「学ぶ気迫」を感じる。

 在講生に、理学療法の臨床研究で外国から幾つも賞を受け、国内外で高い評価を得ている医師が居る。スポーツ医学の権威でもあり、大学で教鞭を執る傍ら、秋田の病院の院長も務めている。

 4日前、急遽、講座を休んで震災直後の被災地に行っていたその彼から連絡が来た。訊くと、大船渡市からで、医師の仕事より遺体の処理に追われているようだった。現地はテレビなどで報道されない悲惨な状況だとも言う。

 3メートルを越すヘドロの中にはまだ何十台もの車が沈んでおり、車中の遺体はそのままになっている。数は不明。ヘドロなので作業が行なえない。遺体を収容する体育館には、シートに包まれた男女の区別も侭ならない泥まみれの遺体が三体五体と運び込まれ、許容を超える三百体以上が安置されている。水が不足しているので遺体を洗うことも出来ない。近隣の火葬場は小規模のうえ燃料も無く火葬も出来ない。物や道具が無く何もしてやれない。場所によっては窃盗などで治安も悪くなり逮捕者も出ている。僧侶も居ない…。

 そのような、テレビでの情報があまりにも綺麗ごとに思える話しを聴いた。

 彼は、この侭では亡くなったひと達があまりにも可哀想です。せめて慰霊祭を行なって上げたいと言う。その祭詞をお願いしたいと言うので快諾した。以前彼には、横浜での神葬祭で軽いお役で奉仕して貰ったことがあった。

 夜中まで何時間かかけて祭詞を書き、メールで送った。泥まみれのなかを奮闘しているだろう彼から、翌日の講座の午前中、返信が来た。
過分の誉め言葉を貰った。

「お早うございます。
お忙しい中、本当にありがとうございました。
素晴らしい祭詞です。
読みながら涙が止まりません。泥だらけで、ビニールシートに包まれたご遺体の前で、ちゃんと読めるか自信はありませんが、魂を込めて奈良先生の代読をさせて頂きます。」

 講義中に立ち上がったスタッフからこのメールを見せられ、思わず目頭が熱くなった。

 そして三連休最後の21日の朝、講座で講義を始めようとした矢先に、彼が不意に現れた。いつもと違い衣類も汚れ気味で、少しやつれている。現地から直接来たと言う。そのまま午前中の講義を聴き、昼の弁当食になると一週間振りに食事ができたと云っている。忙しさのあまり立ったままパンをかじる有り様で、碌な食事も摂っていなかったようだ。食後の昼休みに受講生と一緒に車座になり、ひとしきり現地の状況を訊いた。知れされていない情報を幾つも聞かされる。生々しい悲惨な状態に暗澹となった。慰霊祭の祭詞は関係者にコピーして配布するとか。慰霊のために少しでも役に立てば本望だ。

 夕方、都内でまた被災地へ行く打ち合わせをすると云って早退していった。
この大震災のつめ痕は暫く癒えまい。これから我われは何が出来るかを、真剣に考えなければならない。いまは被災地での彼の職務の遂行を、祈るのみだ。   合掌

« 韓国YMCAフォーラム ② | トップページ | 東日本大震災慰霊祭祭詞 ② »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

神道・古神道」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東日本大震災慰霊祭祭詞 ①:

« 韓国YMCAフォーラム ② | トップページ | 東日本大震災慰霊祭祭詞 ② »