フォト

Twitter

2016年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック

« ニュースレターから… | トップページ | 【追悼】 『神道界の巨星堕つ』 »

精神世界と、エハン・デラヴィと…

 つい最近、カナダから戻ってきたエハン・デラヴィ氏から電話を貰い二度ほど会った。一度目は都心のホテルの会員制ラウンジ、二度目は私の住まいに近い新横浜でだった。
 エハンと会うのは、去年の7月に彼をメインに二人で講演会をやってから半年ぶり。そのとき対談の本を出そうと話しをしていた。

 エハンは9年前、うちの研究会の第34回セミナーで雅楽や日本舞踊や巫女舞などの“和文化の集い”に知人と一緒にやって来た。紹介され、日本語が流暢なので急遽「外国から観た日本の神道と文化」のテーマをつくり、私の講話の時間をそれに替えた。飛び入りで、締め括りの講演をして貰って以来の付き合い。
 そのとき、エハンには、当たり障りのない“外国人の眼には神道や日本文化はどのように映るのか”、といった軽いテーマでの話しをお願いした。関西弁を交えた外人の洒脱な話術に会場が沸いたが、日本文化を多面的に研究していることは直ぐに判った。来日して日本の文化に非常に興味を持ち、禅や弓道も学んだと言う。その程度のことは多くの外国人もやっている。だが、東洋医学への興味から鍼灸師の国家資格を取得した、となると、並みのひとの出来ることではない。

 エハンはイギリス・スコットランド生まれでケルトの血を引いている。神道とケルト文化との共通性や類似性(自然崇拝や多神教的な神観)などを研究している日本の学者を知っているが、エハンは現在の多様化しているケルト文化をベースに、日本の精神文化との共通性や違いを視てきたようだ。
エハンがこんな話しをしていた。
 日本に来て、駅員に古びた小銭入れを差し出して行き先を告げ切符を買おうとした。駅員は小銭を数え切符代を取り、それから顔を見て云った。“大丈夫ですか?”。訊く意図が分からない。“何が…?”。切符を買うと小銭入れには40円しか残らない。所持金が40円になってしまうけど大丈夫ですか?、という心配を駅員はしてくれていたことに、やっと気付いた。我われならそれ程の気遣いとも思わないが、エハンは、このようにさり気なくやさしく気遣う精神風土の国は世界中どこにも無い、と云う。さり気ない気遣いや奥ゆかしさや譲り合いといった古来伝えてきた日本人の精神性を、彼は美徳として高く評価している。

 半年振りに会ったエハンは、去年の暮れに亡くなった私の長女のことをしきりに気にかけて慰めてくれた。そして自分も還暦だし、今回は日本で骨を埋める積りでカナダから戻って来た、と云う。近況を話したあと、エハンが妙なことを訊く。
 “日本の精神世界のひと達はどの位いると思います?”。
つまり、オカルトや「ムー」や、90年代から急に知られるようになった「日月神示」、フォトン・ベルトやアセンションなどを認めて支持するひと達のこと…。
 “さぁねぇ…”。
 “この精神世界の支持者が、4万人ですよ、たったの4万人!…”。
 この人数は大手広告代理店の調査の結果でたぶん正しい数字だそうだ。エハンが饒舌になった。本を30冊以上も出版しているのに、世間には思うように“自分の想い”が伝わらないことに気付いた。伝えたい思いはたった4万人の世界のなかで、ただぐるぐる廻っていただけではないのか…。この4万人の世界からより大きな世界に飛び出して声を上げないと、自分の想いは拡がらない。日本のことをもっと知らせて世界との架け橋になるような、大きな活動に繋がらない…。

 フォトン・ベルトやアセンションを取り上げて広めたのは、エハンと、これも知人の渡邊延朗氏だ。それらは4万人の世界から飛び出して少しは世間に喧伝された。ひと時は精神世界の定住者も支持者も追随してこれをこぞって唱えた。
 しかし、世間でのアセンションの関心も、アメリカ探検隊がたった一度それを否定したことで急速に萎んでしまった。さらに去年の暮れ、アセンションとリンクした世紀末論の横行に、アメリカ政府が公式ブログに風評を否定する記事を発表した。何も起こさないアセンションは今年に入りすっかり影を潜め、過去のものとなってしまった。東北の震災が原発問題などを表面に顕わにし、揺れ動いた政治も政権が変わり、2012年は一つの区切りを示す年ではあった。特に精神世界に意識変革を促したことは確かだ。
 エハンは去年の早い時期からアセンションに触れながらも、次ぎのテーマを模索していた。ちなみに半年前の講演会のテーマは、メインのエハンが『2012・日本終末論とユダヤの光』。私は『月は東に 日は西に』を題名に“失われた十支族と日本”と、マニアックな講話を選んだ。グローバリゼーションの計略が進められているというなかでのイスラエルに、エハンは関心をもっていた。
 しかしエハンのイスラエルへの想いは届かなかった。時期尚早だったのだ。東から射す光は、西のイスラエルの開かずの門にまだ届かない。

 話しの途中でエハンは鞄から1冊の本を取り出した。今年1月31日付けで出版したばかりの『日本を襲うテロ経済の本質』。表紙に、…日本を護るためにデフォルトした国・アイスランドを徹底取材して掴んだ新事実&世界を救うアイデア…、とある。世界で社会制度が最も成功した国・人口32万人のアイスランドで金融システムが暴走。たがのはずれたマネー・ゲームの果てに2008年末、国が破綻状態になった。これは、国際的なトリックスター(詐欺師)勢力によって仕組まれた陰謀だと謂う。その詳細は、エハン節が冴えて面白い。エハンはこの本をJ・C・ガブリエルのペンネームで著している。今年は巳年だから脱皮して新しい姿で活動する…、という意気込みだった。

 そして4、5日前に二度目に新横浜で会ったとき、エハンは少し憔悴気味だった。胸襟を開いて、といった日本的感性をエハンは充分理解していた。悩みは誰もがかかえている。明日が見えない将来への不安の影が、いまの日本を覆っている。エハンの苦悩も垣間見える。だがエハンはこれを掃うすべを、きっと見つけるだろう。

 今後の方向性は自ずから決まる。
 これから知日派で親日のエハンには、“日本の精神文化大使”の役を是非やって貰いたいと思っている。エハンは市井の生活から観た、文化の源泉にある日本人の精神性とその歴史を語れる数少ない外国人のうちの一人だ。いぶし銀の持ち味で、日本人に日本の文化を伝えてほしい。文化を知り、それを学ぶことは、内向きで自信のない日本人が、失いかけている誇りを取り戻すことに繋がっていく筈だ。
 
 我われの祖先は、日本の気候風土が生んだ自然環境と共生し、大自然万物に坐します神々を敬うこころを育んできた。そのこころが現在の譲り合いやさり気ない気遣い、奥ゆかしさに繋がっている。世界的な環境安全保障機構を創り、その象徴には日本の天皇様がふさわしいと発言されたのはヘブライ大学のベン・アミー・シロニー博士だ。世界の自然保全を語れるのは日本の神道だといつも云っているが、そのような自然環境問題で世界からの発言を促すための“日本人の精神性”を、日本から世界に向けて発信することも、エハンはできる。
 いまの若ものは自分の国の文化にあまり興味をもたない。独自の文化を創り出してきた精神性を外人に説かれれば、興味をもつ者も出てくるに違いない。
 

 友人エハン・デラヴィの今後の活動を期待したい。

« ニュースレターから… | トップページ | 【追悼】 『神道界の巨星堕つ』 »

心と体」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

神道・古神道」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/48309/56708293

この記事へのトラックバック一覧です: 精神世界と、エハン・デラヴィと…:

« ニュースレターから… | トップページ | 【追悼】 『神道界の巨星堕つ』 »